
今回のカートゥーン調イラストの描き方講座は、「1.カートゥーンキャラクターの基本」の「1-1.顔の構造」について説明と解説を致します。
本項は、あくまでも参考にして頂ければ幸いです。
▶通常の顔の基本的なバランス
カートゥーン調の説明の前に、まず通常の絵柄の構造を説明します。
基本となるのは「比」「逆正三角形」となります。
「比」は、人によって、絵柄によって変わります。
既存の作品で検証してみた結果、通常等身の場合、5等分(2:3または3:2)、6等分(3:3)、7等分(4:3または3:4)が多く見受けられます。
今回は最近多い印象の7等分(4:3)を用いました。(例:宮崎駿監督・アイドルマスターなど)
*6等分(3:3)には「ハルヒ」「けいおん!」など。
*5等分(2:3)には「ゆゆ式」。5等分(3:2)には「まどマギ」などがあります。
「目」から上 : 「目」から下 = 4:3 = 7
上記の式を応用して等分や比を調整し、自分に合った解を求めてください。
「逆正三角形」は、目と鼻と口のバランスを図る為の基準となります。
逆正三角形の各頂点は、右目と左目に位置。口元の中央に位置。そして、三角形の中に鼻が位置します。

▶デフォルメの顔の基本的なバランス
次に通常の顔を元に、比を減らして説明を致します。
デフォルメは、5等分(3:2)、4等分(2:2)、3等分(1:1:1または2:1)が多く見受けられます。今回は、一番オーソドックスな4等分(2:2)を用いました。
「目」から上 : 「目」から下 = 2:2 = 4
縦軸を潰すような形になるので、逆三角形の目の位置がやや離れ気味になります。

▶カートゥーン調の顔の基本的なバランス
こちらの場合は、デフォルメをより記号的な表現にします。
カートゥーン調は、6等分、5等分、4等分、3等分、2等分などの幅広さを見掛けます。また、この等分を元に分割した"比"から意図的にズラしたり、またいだりします。
比較的自由度の高い表現が可能ですが、規則的でもあります。
極端な丸みと直線。そして極端な誇張を施し、以下の画像の様なキャラクターを制作してみました。ややレトロ調な絵柄になりました。
頭3/1(上) : 頭3/2(中) : 頭3:3(下) = 1:1:1 = 3
*目の位置は頭3/2(中)と頭3:3(下)の中心をまたぎます。

▶ワンポイント
頭頂部、目、鼻、口、アゴの高さは、あらゆる角度になっても位置が変わらない様に気を付けましょう。
▶この章の終わりに
ここで紹介したのはあくまでも一例です。
比の組み合わせや、各顔パーツの位置関係の設定、逆三角形に接地するパーツの位置など、お好みに合ったパターンを見つけてみてください。
次回は、「1-2.身体の構造」について紹介します。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
【使用ソフト】CLIP STUDIO PAINT EX