
はじめに
2023年03月30日から思い付きで制作を開始し、03月31日にテスト版として公開したパズルアクションゲーム「RSPA」について記します。
事の発端
Nintendo Switchのオンラインショップでこのゲームを見かけました。

この「Q REMASTERED」は、ゲーム制作やWEBサイト・デザインなどを行っている株式会社リイカが2015年にスマホアプリとして出した「Q」のリマスター版になります。
「Q」は、Unityの物理演算を用いており、プレイヤーが描いた軌跡に重力と当たり判定を持たせて、それぞれのステージに用意された問題を解いていくパズルゲームです。
「自由に描画した線がゲームで活躍する」、タイトーが制作した「ラクガキ王国」をもっと根本的な所から落とし込んだ様な作品です。
今となっては、技術的にも難しくない為か、「Q」を参考にしたかのようなゲームが多数にあります。
私も何か、この「Q」の様なパズルゲームを作れないか。と考えました。これが事の発端です。
ゲームの掛け合わせ
前述の通り、「線を描いてパズルを解く」というゲームはたくさんあります。
その中でも、2021年に公開されたbaba_sさんが制作したフリーゲーム「シロペンロード」は、他とは違うアプローチでゲームが展開されています。
「線を描いてパズルと解く」ではなく、「線を描いて謎を解いてステージをクリアするパズルアクションゲーム」となっております。
2Dパズルアクション『シロペンロード』公開。己の道は己で描く、ステージに線で道を作る無料ブラウザゲーム (https://automaton-media.com/articles/newsjp/20210915-175809/)
「Q」をベースに、私も違うアプローチでゲームを作るにはどうしたら良いか。
例えば、「テトリスの様に足場が降ってきて、ゴールを目指すアクションゲーム」はどうだろう。と思いついたのですが、それは既に「ぐっすんおよよ」によって作られています。
「そもそも線を描かなきゃいけないんだろうか」と、「Q」の最も良い部分である、根本的な部分を代替えしてみようと思いました。
そこで、任意のブロックを配置する「マリオメーカー」を思い出しました。
ここで、「Q」と「マリオメーカー」を掛け合わせたゲームを制作しようと考え、制作を開始しました。
制作開始
まずは、スプライトを制作しました。チープなゲーム感を出したかった為、16*16サイズの白色のみですべてを描画しました。

アクション性は特段必要ないとは思うのですが、地面接地から2.0fの間離れてもジャンプが出来る仕様と、ボタンを押す長さによってジャンプ高の変化が起こる仕様を取り入れました。

下にあるブロックをクリックすると、その任意のブロックがマウスに追従します。

配置したい場所をクリックすると、その箇所にブロックが配置されます。

そして、旗に触れるとステージクリア。という捻りも何にもない面白くないゲームが出来ました。
ここから、様々な要素を加え、「パズル」という冠に相応しい難易度を加えていきます。
ゲーム性とパズル性の追加のその前に
上記の通り、基礎が出来ました。作業時間は8時間程度。ここから、ゲーム性を高める案を考えます。
と、その前に、このゲームには世界観がありません。デザインもフラットすぎるのでどうにかしようと思います。
各スプライトは、16*16サイズの解像度なのでとても低解像度です。なので、ゲーム画面以外のモノは解像度を高めようと思いました。
まず、BGMは当初チップチューンを予定していましたが、サンプリング音源やシンセサイザーを駆使したテクノサウンドにしました。
次にこのインダストリアルでノイジーな音楽に合う背景を考えます。
「MOTHER2 ギーグの逆襲」のサイケデリックな背景が似合うのではないかと思い、描画及び実装。


URPマテリアルを用いて、背景がグニャグニャと湾曲する様な表現となりました。
ゲーム性とパズル性の追加
次に、この「ただブロックを配置してゴールを目指すアクションゲーム」をいかにして「パズル」要素を強めるかを考えます。
まず初めに思い付いたのが、配置したブロックに「重力」を付与する事でした。
的確な場所にブロックを配置しないと、重力によってブロックは下へ流れていく為、ステージの足場に届かなくなってしまいます。
パズル要素としては小さいですが、アクション性と難易度を大きくする良い案だと思い、そのまま実装しました。
今後のバージョンアップについて
現在の状態では、まだパズル要素が薄いので、「鍵」を取らないとゴールが機能しない。という要素を加えようと考えています。
「ゴール」までの道のりをパズルにするのではなく、「鍵」を取るまでの道のりをパズルにするという事です。
また、「重力によって落ちていく足場ブロック」のみのアイテムですが、「ジャンプ台」を加えたり、「ブロックとブロックを隣接して配置すると連結するブロック」や「重力によって下以外に移動するブロック」を検討中です。
ステージ数を増やし、BGMを増やし、ギミックを増やし。ある程度ゲームに肉付けが完了した時点で、ストーリー性を加えて正式リリースを迎えようと考えています。