昨今、学校や社会、さまざまな人と関わる中で、
少し気になっていることがあります。
- 「人と関わるのが苦手だからフリーランスになりたい」
- 「会社員のような人間関係が嫌だからフリーランスになりたい」
- 「好きな時間に、自由気ままに仕事をしたい」
そういった理由から、フリーランスを目指す人が増えているように感じます。
もちろん、働き方を選ぶ理由は人それぞれですし、
フリーランスという選択そのものを否定するつもりはありません。
ただ、ひとつ知っておいてほしいことがあります。
フリーランスは、決して「人と関わらなくていい働き方」ではありません。
むしろ場合によっては、会社員以上に人と関わる必要があります。
作る技術だけでは、仕事は回らない
例えば、イラストレーター、漫画家、小説家、デザイナー、プログラマーなど、
さまざまなクリエイターが独立して仕事をする場合。
必要なのは、作品を作る技術だけではありません。
- 仕事を取るための営業
- 自分を知ってもらうための広報
- 依頼者との打ち合わせや交渉
- 見積書、請求書、契約書などの書類作成
- スケジュール管理
- 経理や確定申告
- トラブルや相談への対応
場合によっては、交流会やイベントへの参加、
取引先との関係づくりも必要になります。
会社であれば、営業部、広報部、経理部、総務部、法務部など、
多くの人が分担している仕事です。
フリーランスになるということは、
それらを基本的には自分ひとりで背負うということでもあります。
極端に言えば、「ひとりで小さな会社を経営する」。
それくらいの認識を持っていたほうがいいと思っています。
フリーランスは、言ってしまえば「1人会社」です。
技術だけで成立する人もいる。ただし前提にはできない
もちろん、圧倒的な技術力があり、
作品を公開するだけで仕事が集まる人もいます。
営業をほとんどせず、制作だけで生活できる人も確かに存在します。
ただ、それを最初から前提にして独立するのは、非常にリスクが高いと思います。
技術力はもちろん重要です。
しかし、技術があるだけで仕事が継続的に成立するとは限りません。
だからこそ、
- 「コミュニケーションが苦手だからフリーランス」
- 「人と関わりたくないからフリーランス」
という理由だけで独立を選ぶのであれば、
一度考え直してみてもいいと思います。
会社は、苦手を誰かが引き受けてくれる場所
会社には、苦手な仕事を別の誰かが担当してくれるという大きなメリットがあります。
- 営業が苦手でも営業担当がいる
- 経理が苦手でも経理担当がいる
- 契約が苦手でも会社や担当部署が確認してくれる
制作に集中できる環境が用意されている会社もあります。
人とのコミュニケーションが苦手だからこそ、
組織に所属することで助けられることもあります。
自由の代わりに、責任と範囲が広がる
フリーランスは「自由な働き方」ではあります。
しかし同時に、
自由である代わりに、責任と仕事の範囲が非常に広い働き方でもあります。
「会社に入りたくないからフリーランスになる」のではなく、
「自分で仕事を取り、自分で管理し、
自分で責任を負ってでも、この働き方を選びたい」。
そう思えるかどうか。
フリーランスを目指すのであれば、作品を作る技術と同じくらい、
自分自身で仕事を成立させる力についても考えてほしい。
私はそう思っています。
